自閉ちゃんと私

やっぱりママの隣が一番。
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みんな、ママが大好き。



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私のめんこちゃんが卒業していきました。

めんこちゃんと私との出会いは3年前に遡ります。
初めの顔合わせはほんの数十分。
私のローテンポな話し方が彼を安心させたのか、すぐに懐いてくれましたが、お母さん曰く珍しいことだったんだとか。
その次は川原の水道で遊びました。
水を高く出してはとめて、逃げては出して。
水溜りの上の石を次から次へと飛び跳ねてぐるぐるぐるぐる。


私のめんこちゃんは言葉を持っていました。
持ってはいたけれど、もちろん会話ができるわけではありません。
自分の気持ちを正確に相手に伝えることが出来ずに苦しむ彼らです。
私は隣で思いつく限りを言葉にしました。
少しでも彼の助けになるように。
ものを指差して、いちいち名称を声に出して言う。
そして、それがどんなものか理解してもらおうとする。
楽しいときは楽しいと、冷たいときは冷たいと、痛いときは痛いのだと
気持ちに思いつく限りの言葉をのせました。

私のめんこちゃんは、嫌だと言うことが出来ませんでした。
自分のおもちゃを取られても取り返すこともしませんでした。
悲しそうにしているのに、それを言葉に出来ない、行動で表せない。
初めの1,2年は『だめ、それ僕の』を言えるようになるのが目標でした。

私のめんこちゃんは、数字と文字が得意でした。
車も大好きで、F1に関連してか国旗も得意でした。
よく文字遊びをしました。
数字を使って勝負もしました。
ムシキングもお得意。
虫の名前はもちろんのこと、原産国と全長まで暗記しているほどでした。

私のめんこちゃんはよくこんにゃくマンになりました。
不満な気持ち、つらい気持ち、悲しい気持ち、そんなものがどっとやってきて
こんにゃくマンになってしまうのです。
にゃくにゃくが到来するとさぁ大変。
また来たかぁ、こんにゃくマンめ。
でも、そんな彼が愛しかった。
よし、おねえちゃんと負んぶでかえろぅなぁ。
背中から伝わるめんこちゃんの体温が愛しかった。




あれから3年。
彼はお友達と遊べるようになりました。
コミュニケーションを取れるようになったのです。
拙いながらも、自分の胸のうちを言葉で表現するようになりました。
最近では足し算、引き算も出来るようになってきました。
自分を主張するようになりました。
ずるをするようにもなりました。
所謂、健常の子供が全く当たり前にやってのける一つ一つが
私たちにとっては大きな感動と喜びで
そうか、嘘がつけるようになったか、なんて嬉しくなってしまったりして。




前にも一度書いたことではあるのですが
私は自閉症を障害だと思っていません。
もちろん、この現代社会で生活する上では彼らの生き方は困難が多々あり
言葉がないこと
こだわりが強いこと
変化を極端に嫌うこと
協調性に欠けるところ
これらはすべて『障害』となります。
(もちろん個人差は大いにあります)
しかし、私にとっては目の前にいる子供は「自閉症児」ではなく
「その子」そのものなのです。
私の中にはくくりがない。
私だって言葉に出来ないことがいっぱいある。
変なところでこだわってばかり。
安定したところにずっと落ち着いていたい。
人に合わせるのは苦手。
これは程度の問題。
私は健常者、あなたは自閉症、そんな風にカテゴライズして考えたことがないんです。
まるでアイデンティティのように捕らえている部分が私にはあります。

だから、時々外部の方に『障害児』と言われると
お、そうだったのか!なんて思ってしまうのです。


そんな私ですから
「自閉症の子供といかに遊ぶか」なんて気にしたことがありませんでした。
常に「めんこちゃんと楽しく遊ぶにはどうするか」を考えてきました。
「めんこちゃんに私が何を教えられるか」「私がめんこちゃんの助けになるにはどうすればいいか」
そうやって過ごした3年間でした。

多くのことをめんこちゃんに教えられました。
私が彼を助けてあげるつもりだったのに
最終的に救われたのは私のようです。






写真をもらいました。

めんこちゃんと初めて出会ったときの写真でした。

ぽんと踏み出そうとするめんこちゃん
後ろで手を出して支え、笑いかけている私。

宝物です。






卒業おめでとう。

最近忙しくして、淋しい思いさせてごめんなぁ。
これから辛いことも悲しいこともあるだろうけれど
あなたは芯の強い子です。
きっと乗り越えていけるよ。
ママも、ぴのこちゃんも応援してっからなぁ。

また一緒に遊ぼう、待っているから。
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by 2pinoko | 2007-03-28 15:56 | 自閉ちゃんと私。
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