XX

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XX:人間 の 女性 で ある。


自分の性を気にし始めたのは小学生の時からだったか。それまでも「男の子」「女の子」のカテゴリーは存在していても違いはトイレやランドセルの色、左右に分かれて座ること、一人称の違い、そのほかに・・・他にあっただろうか。つまりそんな程度、私の認識では。大抵のことは一人で出来た。自分が「女だから」劣ることなどなかった。
違いが顕著になり始めるのは小学校高学年。川の向こう岸に小石を投げることが出来なかった。どんなにがんばっても片手でシュートを打つことが出来なかった。彼らは出来るのに、私は 出来ない。

思い知る。私は女である。そして彼らは男なのだ。


無意識のうちに女らしい女であることを避けようとした。女の子らしいというだけで全てに劣っているような気がして、女の子らしい、に憧れながらその道を通らぬよう慎重に選択を繰り返した。ピンクや黄色、リボンやレースは禁忌。淡い恋心に似た憧れを抱きつつもそれを欲しいと口に出すことはある意味罪であった、幼少のころのように。
私はいつも欲しいものを欲しいと言えず幼稚園のお友達が持っているキャラクターグッズやかわいい浴衣、凝ったお弁当を羨ましく思いつつもそんなそぶりを一切見せまいと振舞うような子供だった。母に「欲しいの?」と聞かれても「ううん。」と答える天邪鬼っぷり、でも決まってその後は部屋で一人泣いた。自分は持ってはいけないもの、おもちゃ屋さんで売っているようなおもちゃは私みたいな子は使ってはいけないんだとそう思い込もうとした、そしてそれを信じた。外で遊ぶことが多かったのもそのせいかも知れない。家にはぬいぐるみ以外おもちゃらしいものは大してなかったし、テレビゲームも一切出来なかったから。

女の子らしいものを避ける一方で、女の子であることを望んだ。かわいいお洋服も好きだったし友達とお茶するのもくだらない話で1時間も2時間も電話をするのも好きだった。でも自分の目指すところの「人間」には"女"性は必要のないもののように思えた。成長してゆくにつれて社会における「女」如何を知りなおさらがむしゃらに戦わなければならないと思った。男に生まれたかったのに私は女だ、そして女の子であることを望んでいながら私はその性を必死に否定しようとしている。男に成り得るはずもなく、かといって女として扱われることにも疑問を抱く。かくしてひねくれた女子が出来上がる。群れ成さなければ何も出来ない・うるさい・甘える そんな"女"性をあらゆる側面に適応させて必死にそこから逃げようとした。なんて勘違い。感情論は後回し。男性的になれるはずもなく女性的であるものを押し出さないとすればとにかく様々な局面において理屈で割り切って動く必要があるように思えた。自分は実に楽であった。それで納得できるのだから。そうして初めて同じ舞台に上がれた気がした。舞台?何の?常に誰かに対抗しながら相手の正体さえ掴めず虚勢だけが残る。


変わっている とよく言われる。
何を以って「普通」とするかは人それぞれだしこんな主観的で流動的な感覚ほど不確かなものはない、実にいい加減なものだと思うが人と比べてみれば私は意固地・理屈家のかわいくない女なのだと思うしその自覚もある。女の子の噂にはいつも疎いし「ぴのこってまるで中立国みたい」と同期に言われたときには思わず吹き出してしまった。つまり他人の目から見た私はこんなものなんだろう。
今は女である自分のことをよくわかっているつもりだしこの座をおびえた自分に明け渡すつもりもない。

守ってあげたくなるような女の子になんてなりたくない。“女”性を振りかざしてどうこうしてもらおうなんて思わない。お前を守ってやるなんていう奴がいたら鳥肌がたちそうだがそんなこと思いながらも私は強がっているのだ。そしてきっとやっかんでいる。あんな女になりたくない、そうは言いながら意とも簡単に"それ"が出来てしまうことが悔しいのかも知れない。自分にないものが羨ましいのだ。
だから私は飄々としているなんて言われる。強がっている。「お前といると女を感じがしないから落ち着くんだよな。」なんて言葉をほめ言葉として望んでいるように振る舞いながら一方で大きく落ち込んだりする。
今は昔のような無理はしなくなったしかなり地で生きているのだがそれでもある瞬間に壁を作りここから先は見せてあげないと戦っている自分がいる。無関心、意固地、強がりな私の中でもう一人の私が言う、「違うでしょう、怖がっているくせに。本当はもっと違う感情があるくせに。」心の底に私の「女」を隠して見せてあげない。見せ方を知らない。そうだね、ごめん、知っているよ、気がついている、女の子だもの。でもごめんね、今までずっとあなたを隠して生きてきたものだから足を踏ん張るほかの方法を知らないの。私は強い女をずっと勘違いして生きてきた。でも大丈夫だよ、私もちょっとずつだけど変化しているから。ずいぶんと時間もかかっているけれどね。自分の行く先に不安はあるけれど誰にもこの場所を譲る気はないよ。
だからもうちょっと強がりな私に付き合って、私。



最近はこの天邪鬼で強がりは私がかわいくさえある。ふふふ、また頑張っている、私。ってね。

先日友人に女ってなんだろうと疑問を投げかけられ自分の性について考えていた。
染色体上“女”性であるが私を女たらしめるのはこの女性器ではなくて私自身がそう望んだからだ。私が男にならなかったのは私自身が女であろうとしたから。ずっと捕われてきたものの根本にあるのは“性”ではない。それに気がつくと急に肩の荷が下りたように楽になった。私自身の問題だ、これは。




そうだなぁ とりあえず いい女になりたい。
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by 2pinoko | 2006-06-23 21:18 | つらつら。
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