ラベルのボレロと前頭葉障害

ボレロ

どんな曲?と思う人も必ずはどこかで耳にしたことがあるであろうあまりに有名な曲。
同じ旋律の絶えざる反復によってクライマックスに至る。
最近ではCMで使われていたのかな。
バレエでも有名な曲だが、15分程度のこの曲を踊り切るには
強靭な精神力・集中力を必要とするのだとか。
私はその道にそう明るくないので詳しいことまではわからないのだが。
一度、バレエのボレロも見てみたいとも思う。


最後にこの曲を聴いたのは
ニューイヤーコンサートでだったかと思う。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。

好き、ではあるが
実はこの曲に対してひそかに畏怖の念も抱いている。
同じ旋律がずっと繰り返される形式の曲というのは珍しい。
だんだんとクレッシェンドしていく最後は
感動とともに一種の異常を感じてしまうのだ。
そこに異世界が広がるような感覚にとらわれる。


実はボレロの作曲者、ラベルは、この曲を作曲して数年後、失語症を発症、死亡しているらしい。では、ボレロ作曲当時には既に前頭葉に何らかの障害があったのではないかというのが後世の科学者たちの見方である。
前頭葉障害では生活する上で必要な情報を整理し、計画し、処理していく一連の作業が難しくなる。目標を決め、計画し、手順を考え、実施し、結果を確認するという当たり前の流れが滞る。その結果、生活上起こる様々な問題を解決していくのが困難になり、動作を始めるのが難しかったり、中断するのが難しくなることがる。
ボレロの絶え間ない反復は、ここに起因するのではないのか、という説である。
とすれば、ラベルはピック病やアルツハイマーであった可能性が出てくる。

私はこれを知って、なるほどと
パズルの1ピースを見つけたときのように妙に納得してしまった。
あの繰り返しの旋律に、一種の病的なものまで感じていたからだ。
鬼気迫る迫力と
圧倒的な威圧感
生命力
体のそこからゆすぶられるような
体液が振動するような感覚。
それは、これか。と。


バレエのボレロは優雅に踊るものとは異なる。
ダンサーは次第にトランス状態になり、髪を振り乱し、汗を飛び散らせ、身体の奥底から絞り出すような魂の叫び、そしてラストを迎える。
強靭な精神力を必要とするのも良くわかる。
ボレロ、だからこそ、なのであろう。










なるほど。
という感覚は今まで見えてこなかったものが急にクリアになったりするもので
これがあるから「知る」ことは面白い。

今日の感動を、ここに記しておく。


そして試験も近いよね、私。
こちらも「なるほど」の感覚を以ってして
楽しんで勉強したいところ。

もう一分張り。
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by 2pinoko | 2006-01-31 19:20 | つらつら。
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