I believe in music

ここのところ 寝つきが 悪い。


毎日の睡眠時間は明らかに少ないのに、毎日講義を受けて、研究室に行って、部活に行って、アルバイトをして、時には飲んで、いつもと変わらない生活。自分は寝不足なんだと意識したとたん恐ろしいほどの睡魔と疲労感に襲われる。それは日中のこと。ベッドに潜り込むと、やっぱり同じ。眠りに入っていけない。

眠りが浅いせいか 昨晩は恐ろしい夢を見た。
悲鳴を上げて その声に自分で驚いて目が覚めた。
もうその内容は覚えていないのだが。

不快極まりない。



今日も、いや、もう昨日の話しになってしまったが楽しくお酒を飲んできた後だというのにやっぱり寝付けない。
羊を500匹まで数えてやめた。
頭の中でストーリーを組み立ててみたが、ある程度話が進んだところで余計眠れなくなるのではと気がつき、やめた。
エリーゼのためにを何十回もリピートしてみたがやはり効果が無かった。

ああ、歌いたい。今日の空は星がきれいだった。

そう思うと全身の血が騒いで平衡感覚を失った。
歌いたい。



我慢が出来なくなってベッドから這い出る。
眠くなるまで駄文をこねようか。







私は歌うことが好きだ。

きっと、言葉という媒体を解さず自分を表現できるものが好きなのだと思う。
私の語彙では表現しきれない心の機微をうまくのせてくれるから。
ピアノを弾くと無心になる。音に自分の感情を乗せればいい。気持ちがいい。
絵でもいい。自分の世界を創る。私色がいとおしい。
その中でも歌うという行為が1番気軽で、手軽で、ストレートだ。
自分さえ在ればいい。
自分の声と体さえあればいい。


私の家族は、車に乗ったら、まず、歌った。
あの狭い可動空間は、歌うために存在するのだと思っていた。
姉は学校で習ってきた歌を私に教えた。
私がソプラノを、姉がアルトを担当した。
だから、私は音楽の授業では知らない歌というものがまず無かった。車中で既習だったわけだ。
歌詞も空で歌えたのだから。

私はよく歌って、踊っていたのだという。
自作の歌を 事あるごとに親戚の前で披露していたのだとか。
幸運なことに、そんなことはさっぱり覚えていないが。

ここまで書いて、何だか素晴しい歌い手の回想録のようだとふと思ったが、
あいにくその才能が衆に抜きん出ていたわけではない。
声が平均より大きくて 高音が平均より響いた それくらいのこと。

歌が好き。 歌うことが好き。
それだけ。

よくある話。
風呂場で一人リサイタルにしたり。
向かいの空き地で歌いながら泥団子を作ったり。
とにかくよく歌い 笑う子供だった。


高校生のとき ミュージカルに出会った。
これが、自分の1番楽しくなる表現方法だと知った。
嬉しい!楽しい!歌っちゃえ!それでも足りない、踊っちゃえ!
ステージに上がり スポットライトを受けて歌う楽しみを 喜びを知った。
自分が大好きなものを知ってほしい。
それで聞いてくれる人が楽しくなってくれるならもっと素敵。

その頃からか。
何か自分の心奪われるものを見ると何でも 歌いだしたくなる。


特にこの季節はたまらない。
夏の気だるい熱気が去って 朝晩キィンキィンと音が聞こえるようになると、ああ、響きの季節がやってきたなと毎年思う。
空気がすうっと鼻の下を走ると ああ、ここに音をのせたい!という衝動に駆られる。
きっと響く、きっと届く。

素敵な星を見たの。
桜の葉が雨にぬれて 木々の匂いがしたの。
気持ちがいいでしょう?
そうやってね、本当は歌いながらアパートまで帰りたいんだ。





大学に落っこちて
まぁいいさ、次だ次だと自分に言い聞かせ
競争とも無関係になった数週間、それは春の匂いがし始める頃、ゆっくりゆっくり坂を上って、ホトケノザでほんのり色づいた空き地の石の上に腰掛け、私は歌った。
私の実家はちょっとした丘の上にあって(それは山だと友人たちは突っ込むのだが無視)
ちょっと坂を上れば市街地を一望出来る。
そんな素敵な場所で
日向ぼっこするネコや
ちょっと離れた民家の犬や
私の名前も知らない鳥たちを相手に
友人のギターにのせて 歌った。

ばかげた歌も歌った。
思いっきり。
音が外れたってお構いなし。
げらげら大声で笑った。


人生で 歌っていて1番楽しかったのはと聞かれたら
ひとつは高校時代の 照明の下のステージで
もうひとつは この坂の上の野外ライブだったと答えるだろう。



  I believe in music
 いつまででも 皆の前で 歌たい
 迷ったり 転んだり しながらも

 例え 誰がなんと言おうとも
 私たちの選んだ 道だから

 歌の力 わかりかけた時だから
 いろんな歌をもっと 歌いたい

 そして 皆で声あわせ
 歌えたら何より 嬉しいの

 力の限り 歌うことだけが
 今の私に出来ることぐらい

 だけど 信じているの 
 私たちの 歌声はきっと 世界中に 響き渡る

 I believe in music
 I believe in love





大好きだった歌。
もともと何に使われていた曲なのかは知らない。












今、なかなか眠れなくて外を見ると、赤く光る電灯、時々車。
まだ暗い。もう5時だというのに。
今年も後2ヶ月で終わる。冬がくる。もう来ている。

この空気はきっといい音を運んでくれる。
キィンキィンと響きながら。
うん、歌いたいなぁ。
やっぱり、外で。自由に、楽しくさ。





とりとめも無く書き綴ってきたけれど
いい加減布団に入らないと。
明日は朝から出かけるのだから。


もう、寝る。
[PR]
by 2pinoko | 2005-11-06 05:30 | つらつら。
<< 無償の行為  トルコ旅行記~第2日目・イスタ... >>